ヤシガニ

(椰子蟹)


(別名:オイハギガニ)


(学名:Birgus latro  英名:Coconut crab)



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ヤシガニ(椰子蟹・オイハギガニ) ヤシガニ(椰子蟹・オイハギガニ)
十脚目(エビ目)
オカヤドカリ科
体長
(甲長)約12cm  (甲幅)約14cm
大きなオスでは体長40cmを超え、脚を広げると1m以上にもなり、4kg以上に成長します。
尾長

体高

体重

分布
インド洋と西太平洋に生息しています。
日本でも沖縄、宮古、八重山の各諸島に生息します。
食べ物
主にヤシの実の胚乳であるコプラやイチジクなどの果物を食べますが、雑食性で、口に入れることが出来る
ものなら何でも食べます。沖縄の先島では、熟したアダンの実をバラバラにして食べます。葉や腐った果物、
カメの卵、動物の死骸も食べます。
主な特徴
ヤシガニは陸上で生活をする最大の甲殻類です。名前の通りカニに似ていますが、ヤドカリの仲間です。
地下にハサミを使って掘った穴や岩の割れ目を棲みかとします。日中は天敵と直射日光を避けるために
穴の中に隠れており、雨や霧の日でない限り外に出ることは避けます。巣の中で休んでいる時は、入り口を
ハサミでふさぎ、巣の中の環境を一定に保つようにします。
ヤシガニはほぼ陸上生活に適応しているため、海岸線から6km以上も離れたところで発見されたことも
あります。
成長すると産卵時を除いて水に入る事はありません。また、全く泳ぐことが出来ないため、波打ち際までしか
入ることが出来ず、水の中では溺れます。
2本の前肢は、巨大なハサミになっており、30kg近くの物を持ち上げることができます。
寿命は50年程度と考えられています。

5月〜9月の間に陸上で頻繁に交尾を繰り返します。7月と8月に繁殖はピークを迎え、オスとメスは交尾の
ためにもみ合い、オスはメスを仰向けにして交尾を行います。交尾後間もなく、メスは自分の腹部の裏側に
卵を産み付けます。メスは数ヶ月間卵を抱えたまま生活し、10月か11月の満潮時、一斉に孵化したゾエアと
呼ばれる幼生を放出します。
幼生は28日ほど海中を漂い、その間に大部分は他の動物に捕食されます。その後海底に降りてヤドカリの
ように貝殻を背負って、さらに28日ほど成長を続けながら海岸を目指します。上陸後は水中で生活できる
機能を失います。繁殖が出来るようになるまでには4年〜8年かかるとされ、甲殻類の中ではかなり長い期間
が必要です。

十分に成長していないヤシガニはペットとして飼うことも出来ますが、予想以上にハサミは強力なため、檻を
壊して逃げ出さないように注意が必要です。狭い所にもぐる力も強く、よく逃げ出します。熟したパパイアが
最もよい食料ですが、雑食であるので、軟らかいものは何でも食べます。

人間による捕殺や道路整備による轢殺により生息数が激減しています。
レッドデータブック絶滅危惧II類(VU)(危急種)に分類されていますが、近年の沖縄食ブームにより、食用目
的の乱獲が続いています。
この動物が見られる
主な動物園・水族館
(北海道、関東)
多摩動物公園、八景島シーパラダイス 等



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